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妖魔戦記

魔獣姫 作


4話

「ロザリー、よくも昨夜はまんまとはめてくれたましね。」
翌日、ロザリーのもとへとやってきたハルファスの第一声だ。
「はめるって、何のこと?」
意味がわからず、水色の瞳を丸くするロザリー。
「おとぼけにならないで下さい。変なことを言って僕を動揺させて油断させ、何かおかしな妖術をかけたでしょう。」
「私は何もしてないわ!」
「じゃあこの痛みは何なんです!昨夜からずっと続いてるこの胸の痛みは!」
ハルファスはロザリーへズンズンと近寄り、彼女の胸倉を掴んだ。
「さあ、お答えなさい。僕に一体何をしたんです?」
胸倉を掴んだまま尋問する青年。赤い瞳孔には静かな怒りが燃えている。
「本当に何もしてないわ。」
「あくまで白を切るおつもりですか?だったら、話したくなるようにして差し上げますよ。」
言い終わると同時に、ロザリーを乱暴にベッドへ突き倒した。その上に覆いかぶさり、荒々しく妖精の服を剥ぎ取る白い蟷螂。必死で抵抗するも通用しない。
「いや、やめてハルファス!!」
「早く吐いてしまいなさい。そうすればやめてやります。」
「だから、何もしてないってば!!」
「まだとぼけるのですか?強情者め!」
とうとう全裸にされてしまった赤毛の妖精。その乳房を掴む白い腕。
「さあ!僕に何の呪いをかけたんです?」
「何もしてない・・・お願い・・・やめて・・・。」
アクアブルーの瞳から流れ落ちるしずく。それを見たハルファスの胸がまたズキリと痛む。
「ほら!まただ!」
涙を生み出し続ける水色の瞳を睨みつける血色の瞳。
「僕を昨夜から襲い続けるこの痛みは何です?え?おっしゃって御覧なさいよ?」
かすれ声でなじりながら胸をもみくちゃにする魔族。
「あ!いや!知らな、あん!」
激しい愛撫に涙を流しながら応える妖精。また痛む胸。
「知らないわけ無いでしょう?現にこうやって痛みが増してるんです。いい加減に吐きなさい。」
さらに激しく責めるハルファス。乳房だけでなく花園にも手を入れ、かき混ぜる。
「いや!!ああん!!やめてぇ!!」
ボロボロ泣きながらも快感に身をくねらせるロザリー。さらに増す痛み。
「じゃあとっとと白状しなさい!」
胸の痛みをぶつけるように、ハルファスはロザリーを責め立てる。
「ああ!!いやあ!!はあん!!お願、やめて!!ああん!!」
気持ちとは裏腹に反応するロザリーの肉体。目からは涙、下からは蜜を流す。
「やめて欲しければ答えなさい!どんな妖術をかけたんです?ええ?」
彼女をどんどん責め立てると共に、彼の胸もどんどん痛み続ける。
「ああん!!かけてない!!ふああ!!か、堪忍してぇ!!あああ!!」
泣き、喘ぎながら許しを請う妖精。魔族にいじられるほどに中が熱くなる。
「貴女も頑固ですね。だったら強硬手段です。」
ハルファスは猛った自身を取り出し、ロザリーの中にねじ入れた。
「いやあああああ!!」
狂った侵入者に悲痛な叫びを上げるロザリー。ハルファスはそんな叫びにかまわずに激しく動きだした。
「あっあっあっあっ!!いやあ!!ああん!!」
「ほらほら、とっとと吐かないとイッちゃいますよ。」
「お願、あ!!い!!許、して!!いやあ!!ああ!!」
くわえられる快楽と共にやってくる痛み。それを振り払うように激しく突き動かす。彼の中に次々と来る快感の波と胸の痛み。
「いやあ!!ああ!!ダメ!!イクぅ!!イッちゃう!!ああん!!」
「くっ、イク前に、僕の質問に、答えなさい。」
2人とも、もう限界に近かった。あとは絶頂へと昇るのみ。
「知らなぁい!!ああ!!イックぅー!!もうダメーーーーー!!」
「ぐっ!」
あまりの締め付けの強さに、彼女の中に白い欲望を吐き出す青年。
「ああん!!」
彼の下で美女の体がビクンッと跳ねた。
双方とも荒い息をしながら、ぐったりとベッドの中へ沈んだ。

行為を済ませた後も、ハルファスの胸の痛みが消えることは無かった。むしろ、先ほどよりもひどく痛むようになっていた。
「痛っ!」
苦痛に顔をしかめ、隣で疲れて眠る赤毛の美女を見やる。愛らしい横顔に涙の後が光る。
「結局何なんだこの痛みは?本当にこいつは何もしてなかったようだし・・。」
ばつの悪そうな表情でロザリーを見つめるハルファス。やがて立ち上がり、ロザリーに脱がせた服を着せてやる。そのまま出口へと歩みを進め、ドアノブに手をかける。
「・・・・・。」
出ざまに振り返り、眠り続けるロザリーに決まりの悪そうな視線だけを送り、ハルファスは退室した。

彼女が目覚めたとき、部屋は何事も無かったかのように静まり返っていた。しかし、子宮の痛みが、先ほどのことを現実だと告げていた。
「また、犯された・・・。」
水色の瞳からあふれ出す涙。下腹だけではない。胸も締め付けられるように痛んだ。
「フーン。」
泣いているとドアの向こうから鼻を鳴らすような音がした。ドアを押し開けてヒョコヒョコとガルムが入ってきた。
「あら?貴方、確かガルムだっけ?ここには彼は居ないわよ。」
涙を拭き、黒い犬に教えるロザリー。しかしガルムはまっすぐにこちらに来る。
「キューン、キューン。」
ロザリーの袖口をくわえて軽く引っ張る。
「え?なに?私に来て欲しいの?」
「フーン、キューン。」
「わ、わかったわよ。行けばいいんでしょ。」
ガルムに促され、ロザリーは今まで居た部屋の外へ出た。

廊下も部屋と同じように薄暗く、明かりはろうそくが数本灯っているだけ。石造りの天井や床、壁がますます暗く感じさせる。ただ、ドアの色は城の暗い雰囲気に反してカラフルだった。色によって何の部屋かわかるようになっている。例えば、赤いドアは厨房兼食卓、青いドアは浴室、白いドアは書斎といった具合である。ちなみに、先ほどの部屋のドアの色は緑色だ。
ガルムはロザリーの先に立って歩き、黒い尾を旗のようにゆさゆさと振っている。部屋を1つ1つ彼女に見せながら、トコトコとどこかへ向かわせる。
「ねえ、どこへ連れて行く気なの?」
3つ足で自分の目の前をヒョコヒョコ進む大きな黒い犬に尋ねるロザリー。しかし、黒い毛並みの案内人は振り返っただけで答えず、また先へと進む。怪訝に思いながらも、美しい赤毛を揺らしながらついて行く妖精。
「・・・ここ?」
やがてガルムは1つのドアの前で座り込んだ。ドアの色は黄色だった。
「貴方が私に来て欲しかったのって、ここなの?」
彼女の質問に、ガルムはゆさりと尻尾を振った。まるで早く開けろとでも言うように、鼻でドアノブを指す。ロザリーは恐る恐るドアノブに手をかけ、そっと開いた。
ドアの向こうに見えたのはオレンジ色の空だった。鮮やかなオレンジ色の後から、紫色の闇夜が尾を引いてついてくる。闇夜の中にラメのように、銀色の星明りが穏やかに輝いている。その空をバックに佇む長身の白い人影、ハルファスだ。
「ハルファス?」
「ロザリー!?貴女なぜこんな所にいるんです!?」
突然の声に驚いた城主は素早く振り返り、咎めるように声の主に尋ねる。
「ガルムに連れて来られたのよ。貴方こそ、何をしてるの?」
「ぼ、僕は・・・僕は、別に何も。」
聞き返され、ロザリーから顔を逸らして答えるハルファス。
「クーン。」
「きゃあ!ちょ、ちょっと!」
鼻先で妖精の背をぐいぐい友人の方へと押すガルム。
「な!こっちに来ないで下さい!」
「そんなこと言ったって、ガルムが!」
だんだん接近し、動揺する2人。ガルムは気にせずさらに押し出す。と、突如思い切り華奢な背を突き飛ばした。
「きゃあ!」
「うおっと!」
つまずいてハルファスの胸の中に倒れ込むロザリー。思わず細い腕でロザリーを支えてやるハルファス。一瞬、赤と水色の目が合う。夕日のお陰か、ハルファスの顔の醜い傷痕が日陰になって、彼のハンサムな顔だけが照らし出された。
「ご、ごめんなさい!」
赤面し、慌てて離れる赤毛の妖精。
「ガルム!」
ピジョンブラッドの瞳が、ギロリと黒い友人を睨む。ガルムはペロッと舌を出し、左右にふわふわの尾を振る。悪戯がばれた子供のような表情で。
「悪戯が過ぎますよ!」
腰に拳を当て、ガルムを叱るハルファス。まるで弟の悪戯を叱る兄である。
「ふ、ふふふ。」
「なにがおかしいんです?」
笑いだした妖精を、不思議そうな顔で見つめる魔族。
「ごめんなさい。今の貴方とガルムが兄弟みたいだったから、つい。」
片手を口元に当て、かわいい笑顔でロザリーは答えた。
「僕達は親友であり、兄弟も同然です。当然でしょう。」
腰に当てていた腕を胸の前で組み、誇らしげに笑うハルファス。
周囲の空気が暖かくなった。あの時に戻ったかのように。あの笑い合った日々に帰ったかのように。一陣の風がさあっと吹き、赤と白の髪を弄んだ。
「「あ。」」
ハッと我に返り、視線を逸らし合う。
「フーン。」
黒い鼻先をハルファスに擦り寄せ、何かを促すガルム。
「あ、その・・・さっきは、すみませんでした。変な疑りをかけて。」
「あ、いいの。わかってもらえれば・・・。」
気まずい沈黙が、日没と共に広がる夜空と同時に周囲を包む。
「そろそろ城の中へ戻りなさい。夜の空気は冷えますよ。」
沈黙を破って入り口を顎でしゃくって指すハルファス。彼の目がだんだん赤く輝く。
「私が戻ったら、貴方はどうするの?」
「僕はもう少し、ここに居るつもりです。」
湖のように光るアクアブルーの瞳から逃れるかのように、城主は首を横に向ける。日が完全に沈んだ。
「キューン。」
ガルムはハルファスの袖をドアのほうへと引っ張る。
「な、なんですガルム?僕も戻れとおっしゃるのですか?」
「フーン、クンクン。」
「し、しかし・・・。」
ちらりと横目でロザリーを見やるピジョンブラッドアイ。
「クーン、クーン。」
「わかりましたよ。戻ればいいんでしょう。」
ガルムに袖を引っ張られ、渋々ドアのほうへと歩むハルファス。城へのドアを開けて、サッと横によける。
「ほら、先にお入りなさい。」
「あ、ありがとう。」
ロザリーを先に入れてやり、その後にガルムが続き、最後にハルファス自身が入ってドアを閉めた。

薄暗い石造りの廊下を魔族と妖精は黙って並んで歩く。その後ろから影のようについてくる黒い犬。
コツッコツッコツッコツッ・・・・・
カツッカツッカツッカツッ・・・・・
タカタカタカタカタカタカ・・・・・
3つの足音だけが廊下に響く。
「・・・・・。」
「・・・・・。」
ちらりと横に居る相手を見て、目が合うとすぐに顔を反対方向に逸らすという動作を何度も繰り返す2人。
「・・・。」
ため息でも吐くかのように、鼻からふう、と息を出すガルム。目の前を歩く2つの人影を見やり、足を速めてその間を割って通り、いきなりダッと走り出した。
「ガルム!?」
「どこへ行くの!?」
ハルファスとロザリーは、突如駆け出したガルムを追いかけた。
とても3つ足とは思えないようなスピードで走るガルム。時折2,3度後ろを振り返って、2人がついて来ているかどうか確認している。
「貴方一体どこへ行くつもりですか!?ロザリー、もっと速度を上げて下さい!見失っちゃいますよ!」
「これで、もう、精一杯よ!」
息一つ乱さず、まるで風のように自分の前を駆ける白い魔族に、荒れた呼吸で言う妖精。
「ちっ!仕方のない方ですね!」
「きゃ!」
ロザリーの手を掴んで走るハルファス。ロザリーの耳元を空気が唸りを上げて通り過ぎる。彼女の脳裏に、子供の頃、2人で手を繋いではしゃぎまわった時の思い出が蘇る。
『変わってない・・・。』
自分の手を握る白い細い手は、大きさも感触も変わっていたが、暖かさだけはあの時からちっとも変わっていなかった。
「もしもし、聞いてるんですか!?」
懐かしい思いに囚われていた妖精を、かすれ声が現実に戻す。
「あ、ごめんなさい!なに?」
「このままでは追いつけませんから飛びますよと言ったんです!いいですね!」
「あ、わかったわ!」
手を繋いだまま、それぞれ白い翼と蜻蛉の羽を広げ、ハルファスとロザリーは飛び立った。
黒いふさふさの尾を目印に、翼と羽は風を切って飛行する。
「キューンキューン。」
2人に呼びかけるような犬の鳴き声がし、そちらに注目すると追いかけていた黒い獣がいた。
ガルムはとあるドアの前に腰を下ろしていた。ドアの色はガルムの毛色とよく合う紫色で、他のドアに比べて城の薄暗い雰囲気に合っていた。
「げっ!ここは!」
ドアの色を確認し、引きつった表情をする城主。
「何この部屋?」
「な、なんでもありません!ってガルム!?」
部屋について尋ねるロザリーにハルファスが答えている最中に、ドアを押し開けて勝手に入っていくガルム。
「追いかけなくていいの?」
「よし、僕が行ってきますから貴女はここで待ってなさい。」
「嫌よ!こんな暗いところに置いてかれるなんて!」
繋いだ手にギュッと力を込める妖精。この青年と離れたくないとでも訴えるように。
「・・・・・ちっ!本当は入れたくなかったんですが、しょうがない。」
ハルファスは仕方なさそうにロザリーと共に入る。
「足元階段になってますから、気を付けて下さい。」
ロザリーをエスコートしながら注意するハルファス。その階段というのが奈落の底のように真っ暗だったが、ロザリーはハルファスと一緒にいると心強く、安心できた。
2人が階段を下り終えたところで、ヒョッコリと顔を出す黒い悪戯っ子。
「ガルム、貴方どういうつもりです?いつもはこんなことなさらないでしょう?」
悪戯者を見下ろす赤い視線。一方、水色の視線は目の前のものに集中していた。
「お、オルガン?」
彼女の眼前にそびえ立っていたのは巨大なパイプオルガン。そう、昨日ハルファスが弾いていたオルガンである。
「僕の趣味です。悪いですか?」
恥ずかしそうにプイっと顔を背けるハルファス。
「ううん、むしろ素敵だと思うわ。」
ロザリーはにこりと笑顔で即答する。
かつて、彼が素晴らしい歌声で歌い、森の動物達がそれを聞きに集まってきたことを思い出していた。彼があの時と変わらずに音楽を愛していることが嬉しいのだ。
「・・・何か1曲弾きましょうか?」
「ええ。お願いできる?」
照れ臭そうに尋ねる青年に愛らしい微笑みで返す美女。その光景を見守る黒い犬。
ハルファスは椅子に座り、鍵盤を覆うふたを開けて楽譜を置き、枝のような指をオルガンに添える。目を閉じ、スッと息を吸い込んだ。と、せつなにカッとピジョンブラッドアイが見開き、指を突き立てられたオルガンが吼えた。彼は鍵盤を次々と打ち鳴らし、パイプから悲鳴を上げさせる。昨日の曲とは違う、激しく、全てを燃やし尽くすような情熱的なメロディーを。
何かに憑かれたかのように、ただただ無言で弾き続けるハルファス。赤く輝く瞳は眼振を起こしていたが、白い指は違うことなく鍵盤の上を踊る。
突如、隣から澄んだ歌声が聞こえてきた。ロザリーだ。彼の奏でる音色に合わせて、彼女の美しい歌声が、暗い室内に響き渡る。
オルガン奏者は飛び入りに嫌がることなく奏で続ける。いや、むしろ嬉しそうだ。
調子を執るように黒い尾を振るガルム。
妖精と魔族の素晴らしい音楽が城中に鳴り響き渡った。

ロザリーを部屋に送り届けた後、ハルファスは現在自分の寝室となっているガルムの部屋に入る。
「ガルム、また今夜もお邪魔いたしますよ。」
隣を歩く部屋の主に言うハルファス。黒い犬は白い友人を快く迎える。ベッドに寝転がり、シーツの上に広がる白と黒の毛。
「今日は一体どうしたんです?ロザリーを連れて来るなんて。」
ハルファスの問いに、ガルムはとぼけるようにパタリと尾を動かしただけ。体を丸めて目を閉じてしまった。ガルムのそんな態度に、ハルファスは肩をすくめた。
「それにしても、なんだか今日は色々あったな。」
ハルファスはベッドの中で今日の出来事を思い出していた。ロザリーを疑い、泣きじゃくる彼女を強姦したこと。自分の胸に飛び込んできたロザリーを抱きとめたこと。ロザリーと共に音楽を奏でたこと。
彼女の泣き顔を思い出すだけで胸が痛んだし、彼女の笑顔を思い出すだけで、胸の中が暖かい気持ちで一杯になった。
「まったく、昨夜から僕の体はどうなってるんだ?」
ハルファスは怪訝そうな顔で、暗い天井に呟いた。

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更新日:2010-01-16

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